デル株式会社

 


リコール対策部品の遅れについて
〜読者から届いたコメント


視点No.635『「ほぼ新車」が…』、私も輸入車ユーザーの一人として頷きながら拝読しました。
輸入車の場合、リコールが発生した際の対策部品の日本へのデリバリーに、「体制的な欠陥」があると以前から思っていたんです。

特にドイツ車の場合、リコール対策部品の適合検査はドイツ本国のJIS規格のようなルール(DIN…だったと思います)にパスさせて、生産を担当しているのが海外拠点だった場合は、その国の工業規格に合わせて製造した部品を改めてドイツの規格で再検査せねばならないという、良く言えば厳格、悪く言えば融通のきかない決まりがあるんですよね。

ところが、ドイツの工業規格にいったんパスさせた部品を日本で走るクルマに装着する際、大半の部品(走行性能等に影響を与えない一部のゴム部品などを除き)が、今度は日本の道交法に則った検査を受けねばならず、それがまず、デリバリーの遅れにつながっているようです。
さらに、日本国内の正規代理店網に必要量を供給するため、本国からの発送量確認とそれに応じた部品ヤードの臨時確保を行わねばならず、ここでまた、遅れが生じます。

加えて、「○○○ジャパン」などインポーター側のルールとして、装着に関して一定以上の知識なり専用工具なりが必要な部品については、全国の正規代理店のサービス責任者クラスを集めての説明会とか講習会を行う決まりがあって(これは、装着後に万が一の取り付けミスなどが発生した場合のためのクレーム対策だと思います)、またまた配送の遅れが生じます。

栗野さんが乗っておられるBMWも、同じドイツのメルセデスも、「信頼性の高い高級ブランド」の認識が世界的に浸透しているせいか、リコールが発生した際の対応には必要以上に慎重を期す必要があるようで、VWあたりと較べると余計に時間がかかる傾向があるようです。

ちなみに、私が乗っているアメ車の場合、対策部品はよほど構造が変わらない限り、アメリカのANSI規格は適用しなくて良いという“お目こぼしルール”があって、インポーター側もそういうお国柄を反映した体制なので、リコールが出た後の部品到着はものすごく早いか、ユーザー側が忘れた頃に届くかのどちらかです(笑)。さすが、トランプ氏を大統領に選ぶ国らしいな…と、乗っていてつくづく感じます。

余談ですが、栗野さんが視点で指摘しておられた「某国内におけるBMW車の出火問題」はちょっと事情が違っていまして、あちらの国のゆすり・たかり体質も多分に絡んでいるのが実情のようです。
これに関しては、うわさ話の域を出ない情報だらけですので、次回、ほろ酔い気分の席ででも。

いずれにせよ、リコール後の対応のバラ付きの大きさ(日本車の場合と比較して)も、輸入車の面白さの一つなのかな…と、最近では感じております。
それではまた、視点を楽しみにしております。

ほり編集事務所
堀 辰也



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