HP Directplus -HP公式オンラインストア-

 


「Go toキャンペーン」は喜ぶだけでいいのか。(1)
〜宿泊料がタダ同然になる


栗野的視点(No.709)                   2020年10月8日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「Go toキャンペーン」は喜ぶだけでいいのか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 10月1日、「Go to トラベル」キャンペーンに東京発着の旅行が加わったことで各地の観光地は大賑わいになり、宿泊業をはじめ観光需要を当て込んでいた業者は皆「一息つけた」と顔をほころばせていた。
 「Go to」はトラベルだけに限らず、この後様々な業種向けのものも用意されているという。消費者にとっては安く旅行できたり、安く食べられたりするのだから大歓迎に違いないが、この「Go to キャンペーン」、素直に喜ぶだけでいいのだろうか。

ほとんどタダで泊まれる

 「ほとんどタダで泊まれますよ」。9月下旬に差し掛かろうかどうかという頃、広島県福山市に彼岸花を求めて行った。今秋は気温が高く、彼岸花の開花は遅れているようだから福山市の堂々公園もちょっと早いかという予想はしていたものの、その通りだった。

 彼岸花の群生を見たことがない人は分からないかもしれないが、一面見渡す限りに真っ赤な花が咲いている景色は思わず息を飲むほど美しい。まさに感動物である。
 真っ赤な彼岸花に魅せられて、あちこち追っかけを始めたのはもう10年少し前になるだろうか。以来、地方おこしに彼岸花を群生させるようにとアドバイスしているが、この数年、地方が競うように彼岸花を植生しだした。
 後発地は赤だけでは他所に負けると思うのか、白や黄色の彼岸花も植えているが、黄色い花は広義で彼岸花とはいうものの、花の正式名称は「ショウキズイセン(鐘馗水仙)」。キツネノカミソリを含め、これらはリコリスと言い分けた方がいい。というのは西洋種だったり、かけ合わせて人工的に作り出したものが多いからだ。

 ちょっと横道に逸れたが、福山市の堂々公園まで遠出をして手ぶらで帰るのでは単なるドライブにしか過ぎないので、帰りに岡山県側の矢掛町に寄った。ここは2度目で最初は「大名行列」の時だった。京都旅行の時、車内中吊り広告で矢掛町の大名行列を見、京都にまで宣伝するぐらいだからスゴイに違いないと思い行ったのだ。
 まあ、なんでも実際に見てみないと分からないもので「奴踊り」も各地で見たが、規模の大小はあるがローカル色豊かなものは規模は別にして伝統を守り続けていることの方に感心する。
 その時「本陣跡」を見損なったので、せめてそれでも見て帰るかという軽い気持ちで寄ったのだが、メーン通りにある古い煎餅屋の機械が気になり、その店に入り店主と「こういう宿場町は好きなんだけど、ゆっくり見ようと思うと近場で1泊でもしないと無理だから」などと会話を交わしていた。

 冒頭の「ほとんどタダで泊まれますよ」と言う話が出たのはその時だった。「この通りに時代屋という宿がありますから、そこに泊まればいいですよ。古民家を改造して旅館にしているんです。今なら”Go to トラベル”を利用し、それに町が行っているクーポンがありますから。今からでも宿に行って、クーポンが使えるんだろ、と言えば、くれますから。それを使えば実質タダで泊まれることになります」
 そう教えてくれたのだが、実のところ、その時はほとんど意味を理解していなかった。よく分からないが、かなり安く泊まれる方法があるらしい、というぐらいにしか。
                            (2)に続く



(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点INDEXに戻る