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岡山の技術系中小企業を対象に講演

 10月5日、岡山県産業振興財団の招きで技術系中小企業の皆さんを前に「中小企業の活性化」という題で講演をした。
 私の講演スタイルは、パワーポイントで作成した資料をパソコンからプロジェクターを使ってスクリーンに映しながら、という格好いいものではない。
 パソコンはWindowsが登場する前のMS-DOSの時代から使っているからパソコン歴だけは長いのだが、実はいまだにパワーポイントの使い方も知らないのだ。
だから、講演に際して「プロジェクターとかOHPなど用意するものがありますか」と聞かれても「いや、使いませんので」といつも答えている。その代わりに必ず用意してもらうものがある。ホワイトボードだ。そう。ホワイトボードに書きながら話すのが私のスタイルなのだ。

 実はプロジェクターを使わず、ホワイトボードを利用する別の理由がある。パワーポイントで作成した資料をプロジェクターで映しながら話すと、聴衆は話を「聴く」のではなく、話を「見る」からである。「話を聴く」方はしっかり頭に残るが、「話を見る」とその場だけで後に残らない。
 もう一つは話す側の問題だが、パソコンを使うとパワーポイントで作成した資料をどうしても読んでしまう。話が脱線しないし、その場の雰囲気に合わせて変えたりしにくい。話す側と聞く側の間に緊張感がなくなるから、どうしても無難な講演になってしまう。

 例えば今回の「中小企業の活性化について」と題した講演で、私が話そうと決めていた内容は
1.視点を変えること
2.相手を知り、己を知ること
3.交流は足し算ではなく、掛け算

 という流れだった。

 いつものことだが話の細部はほとんど決めてない。それでも一応、話の出だしはこういう内容と決めていた。
 ところが、いざ喋り出すと全く違う言葉が口を突いて出てきたのだ。しかも、次から次へと予期してない話の内容が勝手にどんどん出てきたのには自分でも驚いた。
 具体例として取り上げた内容(上場した豆腐店)も当初は全く予定に入れてない内容だったが、聴衆の顔とその場の雰囲気で勝手に言葉の方が出てきたのだ(とっさに替えたというのではなく)。ジャズなどでよく行われるジャムセッションに近い感覚かもしれない。

 講演ではもう一つ心がけていることがある。
それはできるだけ難しい専門用語やカタカナ語を使わないことだ。
例えば上記2番目の「相手を知り、己を知ること」はマーケティングがいかに大事かという話なのだが、「マーケティング」という言葉を使わずにその内容を伝え、考えてもらうようにしている。

 もし、私の話を「分かりやすい」「面白い」と感じてもらえるとしたら、恐らくこうした点と、製造業の実例を数多く知っており具体例が実名でどんどん出てくるからではないかと思っている。

 ところで今回は今年6月に続いて岡山県産業振興財団での二度目の講演になる。
せっかくこうしてご縁もできたことだし、ただ講演をして帰るだけではもったいないので、ついでに岡山県の技術を2社取材させてもらった。
その内容も近い内に紹介したいと考えているし、今後は少し「岡山の技術」も発信していきたいと考えているので、しばらくお待ちを。


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