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「商品が営業する」というのが私の信念です。
重要なのは商品に限らず、必ず特徴があることです。


株式会社平和ハウス 代表取締役 松田義 氏
宮崎市阿波岐原前浜4276-77 電話:0985-24-1717

 仮設住宅、仮設事務所等のリース用プレハブといえば、従来は鉄骨、トタン,ベニヤ等の合板部材と相場が決まっていた。それを同社は、アルミやFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を活用したパネル部材を柱や天井、床、間仕切りに使用したプレハブハウス「オアシス21」を開発した。断熱性・遮音性に優れているだけでなく、設営時間が従来の3分の1。しかも解体時に廃棄物がほとんど出ないなどの特徴を持っている。

きっかけは社員の朝帰り。
各工程を五分間短縮する
小さな改善がスタートだった。

 --「オアシス21」は各工程での「5分間短縮運動」がきっかけで開発されたらしいですね。
 松田 平成2年に平和ハウスを設立しましたが、「その日の仕事はその日の内に仕上げる」というのが平和グループ創業来の精神です。ところが大きな仕事になると朝方5時頃までかかることがある。これでは高給を払わなくては社員が続かない。それで各工程を5分間短縮するようにしたわけです。

 --30分とか1時間短縮ではなく、5分短縮だと。
 松田 最初の内はなぜ遅くなったのか、どこで時間がかかったのかを聞くだけですね。それで、いままで釘を使っていた所をビスにするとか、そんな小さな改善の繰り返しです。この運動を始めてから3時間ぐらい短縮できました。しかし、これ以上改善できないというところまで徹底的に改善しても3時間しか短縮できない。それで、これではいかんと、プレハブそのものを、壁の素材から大幅に見直したわけです。その結果、設営時間は従来の3分の1に縮まりました。他社が3日かかるところをうちは1日で設営できますから。

自然に囲まれた静かな環境の中で仕事をしたい、と
思ったから湯布院の別荘地にに開発室を作ったので、
儲かったから別荘を買ったわけではありません。

 --パネルはウレタンをFRPで挟んだ構造にするなど、いい素材を使用されていますね。
 松田 コストは従来のプレハブに比較すると約3.5倍と割高ですが、「商品が営業する」というのが私の信念です。営業マンは御用聞きでいい。真面目でありさえすればいいんです。うちの営業の80%は店です。お客さんから店に注文の電話がかかってきます。営業マンが注文を取ってくるのは20%です。従来は優秀な営業マンが辞めると売り上げが減るから引き止めんといかんかったんですよ。ですが、いまは「どうぞ」の一言です。それは商品が営業するという自信があるからです。

 --商品がいいだけでなく、産業廃棄物がほとんど出ないということですが。
 松田 同業他社の製品と比べて10分の1しか産業廃棄物が出ません。他社製の場合、まず基礎の松杭が出ます。次いで杭をつなぐ材、土台、捨てベニヤ、間仕切り、天井、炊事場周りなどが出ますでしょう。ところが、うちは下に敷く捨てベニヤしか出ませんよ。土台は杭打ちの代わりにジャッキを置く方式(特許申請中)です。

 --蛍光燈がぶら下がりではなく、はめ込み式になっているのには驚きました。
 松田 ぶら下がり式に比べて倍ぐらいしますが、外観がいいでしょう。それがプレハブでできるんですからね。

設営時間、保管スペース、
リサイクル、この三要素を
考えて商品を開発している。

 --アイデアが素晴らしいですね。ところで発想はどういう観点からされていますか。
 松田 いつも商品を開発する時に3つの要素を考えます。第1に設営が早いかどうか。第2に倉庫の保管スペースの問題。例えばイスでも柱でもそのまま重ねると場所を取るが、ちょっと作り方を工夫すれば省スペースで重ねることができる。そして荷崩れしないこと。第3に運搬する時ロープで絞めても変形しないこと。リース業というのは商品が返ってきて、また必ず出て行きますから、この3つの要素が満足されないとダメなんです。設営は非常に早くても、残りの2つがゼロではダメなんです。

 --3要素の順はどうなりますか。
 松田 設営が早いということが50、保管スペースを取らない、運搬時に変形しないがそれぞれ25という比率ですね。

 --そういう考え方は長年リース業を手がけてこられたことからきていますか。
 松田 そうですね。それとオーナー社長だからですよ。サラリーマン社長や部長とは真剣味が違います。作業の現場を知っている人間でないとダメですよ。取り組む姿勢、問題意識の持ち方が違います。真剣に仕事に取り組む姿勢がアイデアを生むんです。
 いろんなアイデアがパッと浮かびますね。ところが図面に起こすとダメなんです。考えて考えて、いろんな図面を50枚、100枚描いても、どうしてもダメ。朝の3時4時になると頭がボーとしてなんも分からなくなります。それで20分くらい横になってうつらうつらすると、パッと浮かぶんです、全然違った発想が。そこまで追い込まんとダメですよ。

 --課題があるとすればコスト高という点ですね。しかし、売り切り商品ではなくリースですから、回転すればするほど下がりますからね。
 松田 リース業だからなんとか商売になるんではないでしょうか。一般ではできないでしょうね。職業的なよさはあるでしょう。その代わり資本投下は多いですよ。「オアシス21」は2年半で35億円投資していますから。

 --「オアシス21」の売上高はどれくらいですか。
 松田 売り上げはまだ8億円ぐらいですよ。元を取り戻すには10年かかります。まだ趣味の世界です、商売にはなりませんよ。まだ開発してます。本社前に新製品がありますが、その製品でも完成度は80%と思っています。

 --仮設事務所のイメージを変えるものですね。
 松田 遮音・断熱効果は普通の住宅よりいいですよ、壁にウレタンが入っていますから。間仕切り壁もウレタン入りですから隣の声が聞こえません。仮設住宅・仮設事務所でも住めればいい、作業ができればいいという時代じゃない。これからは快適性を追求する時代です。5年先の製品といっていいでしょう。

宮崎県内は直接販売。
それ以外の九州全県は
日建九州リース(株)が販売。

 --販売方法はどういう形を取られていますか。
 松田 宮崎県内は直接当社が、それ以外の九州全県は日建九州リース鰍ェ総代理店になっています。営業マンを全員、2日間うちに研修に派遣するなど、日建さんは熱心に取り組まれていますよ。

 --今後のエリア戦略は?
 松田 まず九州を確実に押さえてからです。営業展開を優先すると必ず行き詰まりますよ。財務内容を見ながらやっていかんと。同業者の平均自己資本比率は12%ですが、平和グループの自己資本比率は57%です。これを70%にまで高めようとしています。

 --グループ企業の中で収益面での柱になっているのは?
 松田 平和仮設と平和リースです。この2社の経営内容は抜群にいいです。足を引っ張っているのが平和ハウスですね。

 --開発にかなりの資金を投入されていますからね。しかし、今後期待できるのではないですか。
 松田 その通りです。ハウスは製品がいいから今後伸びますよ。平和仮設は商品を仕入れて売るだけですから特徴の出しようがないんです。その代わり、他社は5時頃までですが、うちは24時間いつでも受け取ります。運搬も他社は外部に依託していますが、うちは自社ですべて行います。
 会社経営をするに当たっては必ず商品になにか特徴がないとダメですね。商品だけでなく、営業政策でも、ですね。

 --体質強化のためにはどんなことをおやりになられていますか。
 松田 5年ほど前から固定経費の削減に取り組み、現在では売上高が半分になってもやっていける体質にしています。例えばコンピューターを導入する時、こういう資料もあれもこれもワンタッチで出るようにしたいと要求しますね。だけど年に一度しか使わないのに、あれば便利だなというものは全部省いたんです。必要最低限なものに絞ることでコンピューターの月間維持管理費100万円が3万円に下がりましたよ。

 --それは大きいですね。
 松田 コンピューターに振り回されるんですよ、皆。これはコンピューターの例ですが、一事が万事、こういうものが山ほどあるんです。

<プロフィール>
鹿児島市天文館に生まれる。鹿児島工業高校卒業。昭和38年2月宮崎市で平和テント商会を創業。1日3時間睡眠で猛烈に働く。同41年平和テント鰍ノ改組。その後、平和リース梶A平和仮設梶A平和ハウス鰍順次設立。15年程前から健康酒づくりを始め、朝鮮人参、アロエ、赤松の新芽、まむし、ニンニク、蜂蜜等10種類をつけている。囲碁5段、将棋3段。


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