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              今年は国内外共に大きな変化があった年です。 
しかし、私が期待した変化は起きず、その芽は潰れかかっているような気がします。 
残念ですが。 
 
             さて、個人的には反省多き1年でしたが、中でも最も反省したのは帰省中に引き起こした出来事です。 
反省と書きましたが、懺悔という言葉の方がピッタリくるかも分かりません。 
 
 兵庫県佐用町のマックスバリュで買い物をしている時のことです。 
冷蔵ケースの前で商品を見ている私の前を女性従業員が通ったのです。 
            最近、どこの店でも人の後ろではなく、わざわざ前を平気で横切る人が増えています。 
とても失礼な行動だと思いますが、この場合は店の従業員だから余計です。 
「失礼します」の一言もありません。 
            全く私の姿など目に入らない風で、前を横切ってショーケースの商品を点検する態度にさすがにムッとしました。 
 
 実はこの女性従業員は以前にも同じ行動をしたことがありました。 
            一体、イオンはどういう教育をしているんだ、とまたまたお節介焼きが首をもたげ、その従業員に注意しました。 
「従業員が客の前を通るというのは失礼だろう」と。 
 ところが、彼女は私の話を聞いても、きょとんしたままです。 
            20歳前後の新入社員ではありません。常識をわきまえているはずの中年女性でしたが「申し訳ありません」の一言もありません。 
 
             二度も同じミス、年齢、そういうことを考えると、ここは厳しく注意しなければ、と「店長を呼びなさい」と言いました。 
「店長は今日休みなんです。副店長ならいます」 
 まるで他人事の返事です。 
これはいよいよダメだわ、と呆れながら、出てきた副店長に注意しました。 
「客の前を平気で従業員が通るなんて、イオンは一体どういう教育をしているんだ。 
しかも、この子は前にも同じことをした」 
 
 私が注意しているのに 
「君はいいから向こうに行っていなさい」 
 副店長は私に謝りながら、その女性をその場から去らせようとするのです。 
             おい、おい、それはおかしいだろう。それでは客の苦情をただ聴くだけで、意味ないではないか。これだから売り場がおかしくなるのだ。 
 そう思うと余計腹立たしくなってきました。 
 
「あの・・・、あの子は・・・」 
             なんだ、人の話をまともに聞こうとせず、あの子がどうした。上がそんなだから下もおかしいのだ。個々の問題というよりは、これはシステムの問題だな。 
            そんなことを一方で思いながら注意の言葉を続けていましたが、副店長の言葉にちょっと引っかかるものがあったので、言葉を切りました。 
「ん・・・。もしかして・・、知的障害?」 
「はい、申し訳ありません。あの子には分からないものですから」 
            「いや、悪かった。そうと知っていれば。申し訳ない。こちらが悪かった。あの子を叱らないようにして欲しい。悪かった」 
 今度はこちらが謝る番です。 
 
             彼女は決められたことを決まったやり方でしかできないのです。例え客が商品を手に取ろうとしていようと、その前を横切らずに迂回するとか、「失礼します」と声をかけて作業をすることはできないのです。途中でいつもと違うことをすれば、分からなくなるから。 
             「私もこの店に移動してきた時は彼女のことを知らなかったのです。事情をご存知ないお客様からも時々苦情を言われます。その度に今回のように事情をご説明し、ご理解を頂くようにしています」 
 
 この時ほど、自分の行動が悔やまれたことはありませんでした。 
            いくら彼女が事情をよく理解できないといっても、私に怒られたという感じだけは残ったと思います。なんともいえないやり切れなさ、情けなさが残りました。 
 
 いつまでたっても人間ができない自分自身の情けなさです。 
私自身の今年一番の反省でした。 
 
 除夜の鐘を聞きながら108の煩悩を少しでも減らしていきたいと思います。 
             
             
              
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