「積読 収集」〜読者から寄せられたコメント


 今回は久し振りに岡山の読者から届いたコメントをお送りします。

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ご無沙汰しております。

 栗野さんのように、じっくり本を読みこむことができないタイプなのですが、突然ある事象や出来事にこだわってその関係の本ばかり集めながら読み飛ばしています。

 ポーランド旅行に関してはホローコストやアウシュビッツの関連の本、1月の上海旅行の後には、伴野朗の上海関連推理小説から文革の歴史物さらに江青の自伝そして毛沢東の回想録へと中古本を漁りました。

 今の習近平も江沢民達と昔のように、自己保身とヘゲモニー争いをしていると思うと、いろいろ起こっている出来事の裏を分析したくなります。

まさに遅れてきた青年よろしく、自分の過ごした時代を今頃振り返り、ああそうだったのかと妙な納得をしています。

文化大革命の前後の毛沢東を取り巻く劉少奇と4人組・そして林彪の謀反や?小平の失脚と復活を見るとまさに階級闘争というよりは、個人の権力闘争/覇権争いの凄まじさに唖然とします。
とりわけ江青のすごさと様々な手管には、恐怖すら感じました。

 意外と江青の自伝は少なく、古本漁りでようやく入手しましたが、これもよいしょの自伝(上海の紅いバラ)と批判的なものと二つあるようです。

未だにおそらく、中国の政治の本質は変わっていないのではないかと思っていますが、そうすると今、腐敗防止でやり玉に挙げられている連中も政敵の追い落としに過ぎず、天津の爆発も江沢民の反撃ではないかとも思いたくなります。

 真実は、時の権力者の影響が及ばなくなった時にしか明らかにされないのでしょう。
それを思えば、マスコミに圧力をかけてきたどこぞの政府も危険極まりないものです。

 アウシュビッツに関しては、本当に強烈(現地の印象だけでなく)だったので、また改めてお話させていただきます。

                                                  中原

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中原様、お久し振りです。

 私は中国現代史に関してはかなり知っているつもりでしたが、中原さんの読書量を知ると、私の「知っているつもり」は自己満足だったような気がします。

 「歴史の真実」が明かされるのに必要な年数は大体30年ではないかと思っています。今後は秘密保護法の影響などで、さらに年数が必要になりそうですが。

 中国文革期のことを表に出しだしたのはほぼ例外なく亡命中国人ですから、まだまだ中国国内では明らかにならないでしょうね。

 私が資料的価値も高いと考えているのは高文謙著「周恩来秘録」です。これを読み、ある部分では周恩来像が一変しました。それと同時に毛沢東の政敵に対するしつこさも思い知らされました。

 それよりなにより感心するのが、彼ら亡命者の記憶力と言うか、資料の持ち出し方です。

 私など元々記憶力はよくない方ですが、この頃ますます記憶力が落ち、親父が晩年「この頃本を読んでもあまり頭に入らない」とこぼしていたのを思い出します。段々、その年に近づいてきました。


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