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なぜ、地方にコンビニが増えているのか(2)
〜逆転の発想で過疎地に出店


 要はコンビニもスーパーも店舗過多。ついでに言えば整骨院も歯科医も弁護士も都市部へ集中しすぎてオーバーフロー状態になっている。もうかつてのように稼げる業種ではないのだ。
 かといって全国各地がそうなっているわけではない。相変わらず「真空状態」の地方はある。例えば九州でも弁護士が多いのは福岡市ぐらいで、他の県ではせいぜい県庁所在地に複数の弁護士事務所がある程度。その他の都市は無弁護士、無医村状態である。
 ならば地方に拠点を構えれば社会貢献もできるし顧客も獲得できるではないか、というのは素人の考え方。顧客数も案件も少なければ稼げない、と反論されるだろう。
 もちろん正面切って公にそう言い切りはしないが。もうすこしオブラートに包んだ言い方、「地方では最先端医療を学ぶ機会がない」とか「もう少し勉強したい」「法務を中心にやっていきたい」などと言うだろうが、詰まるところ「医も法も算術」であり、「赤ひげ先生」や「正義の味方」はドラマの中でしか存在しない。

逆転の発想で過疎地に出店

 一方、コンビニ業界やドラッグストアはこの空白地帯に商機を見出した。建前上、高邁な理想を唱える「先生方」と違って、彼らは算盤勘定で動くから「地方に商機あり」と踏んだのだ。
 田舎は商店「真空地帯」になってしまったが故に、逆の見方をすれば需要はある。しかも現代は車社会。足下の消費人口の範囲は都市部より広く設定できる。
 もちろん都市部と同等近くの売り上げは求められないだろうが、その分、出店コストは下げられる。まず土地の取得がしやすい。空き地は多いし、地代も安い。加盟店オーナーが自前の土地を持っていることも多い。これが2番目の理由である。

 ドラッグストアも同じだが、最近のドラッグストアは薬というよりは食品・食材・酒類・日用品のほかに薬類も扱っているという商品構成で、スーパーとコンビニの中間的な位置付けになっている。それ故に「商店真空地帯」を埋める存在として地域に支持されている。
 もしホームセンター、特に小規模店舗を田舎にもオープンしている「コメリ」が食品・食材を取り扱っていれば少し違った展開になったかもと思うが、それは私の空想に過ぎないかも。
 空想ついでに言えば岡山県北を中心に店舗展開している「つるや」のような食品コンビニやホームセンターがコンビニのように振り替え代行業務を行えば田舎生活の利便性はもっと高まると思うのだが。
 コンビニのATMは今後存続が危ぶまれているし、郵便局業務でさえ地方から撤退しようとしているから、やり方いかんでは不可能ではないと思えるが。
 政府も口では「地方創生」とか「コミュニティーを守れ」とアドバルーンを上げるが言葉だけだ。効率中心・経済優先の社会が招いた結果であり、その価値観を変えなければ変わるはずはない。そのためには「価値観の変化」を唱えるだけでなく、利便性をもう少し(少しだけでいい)上げるだけでいいと思うのだが。

向かいにオープンしたコンビニの影響

 ところで、道路を挟んでほぼ真向かいにオープンした総菜・弁当・丼物を提供する店とコンビニは過疎の田舎町で共存できるのかどうか。
 前者は作りたて弁当と店内飲食が特徴で、持ち帰り中心のコンビニとは客の好みや商品構成も多少異なる。それ故、客を分け合えるとも言えるが、弁当やパンといった持ち帰り食品、ペットボトル飲料や酒類、菓子類はダブル。第一、人口が少ない田舎町だけに分け合える余地が果たしてあるかどうか。客はどう流れるのか。

 それを知りたくて、コンビニがオープンして以後、帰省の度に両店に立ち寄り、主としてコンビニのイートインコーナーに陣取り、コーヒーを飲みながら両店の様子を眺めていた。しかも、買い物をしたついでに店であれこれ聞くものだから、怪しい男と見られていないだろうかという心配を一方でしながら。実のところ多少そういう目で見られていた風はあったが。
                                            (3)に続く

デル株式会社


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