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桜まつりでローカル線の未来に思いを馳せる(1)


栗野的視点(No.825)                   2024年4月12日
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桜まつりでローカル線の未来に思いを馳せる
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 やっと春らしくなったと思えば、初夏の気温に急上昇し、翌日は一転してジェットコースターよろしく気温が急降下。仕舞いかけた厚手の冬物を慌てて再び引っ張り出したり脱いだりと、衣替えが忙しいです。
 気温が上がればカメムシが出て来て毎日カメムシ(美作地方ではガイダと言う)取りに追われます。困るのは洗濯物の中に入り込むこと。そのため洗濯物を取り込む際は外でパタパタするのはもちろんのこと、裏表を引っ繰り返してカメムシチェックをしなければなりません。

 ところで皆さん、花見には行かれましたか。
私はこの季節、梅から桜へと花撮りであちこち出かけています。といっても車で行ける範囲の比較的近場ばかりですが。
 先週の土曜日は姫路城の桜撮りに出かけました。今まで姫路は車で何度か行っていましたが、今回は珍しく列車の利用。姫新線の乗客を1名増やし、JRの路線廃止計画を阻止するため、というほど大袈裟なものではありませんが、歩き疲れて復路を運転するリスクを避けるためです。
 往復とも全線各駅停車で、途中2回乗り換えですが、ホームに着くと乗り換え列車が待機しているという効率のよさ。所要時間は1時間半。車でも同じ時間です。
 乗り換え1回で特急に乗る方法もありますが、その方が逆に時間がかかります。そんなバカなと思いましたが、乗り換え時の待ち時間が1時間近くあり、時間も料金も余分にかかるというわけです。これでは特急を利用する手はないので各駅停車の鈍行便で行きました。

 姫新線の佐用駅ー津山駅を走る列車は随分前から1両編成の気動車です。ところが、この日、目にしたのは2両編成。一体どういうこと?
 不思議なことは前日の列車でも見かけました。普段はガラガラの列車に人が一杯乗っていたんです。それも立っている人で、すし詰め状態。一瞬ここは大都会かと目を疑いました。ただ車両は1両編成でしたが、いままでこんな光景を見たことはありません。

 乗客ですし詰め状態の列車に土曜日の2両編成列車。それでハッと気づきました。津山城の桜見物に行く乗客で一杯なのではないかと。20歳前後の若い娘たちも一杯乗っていましたから団体旅行客ではなく個人客です。
 私はいつも車で行っているので、こうした状況を知らなかっただけかも分かりませんが、JRが言うように列車に乗る人がいないわけではないということです。
 イベントがあれば人は列車に乗るわけで、「空気を乗せて走っている」「赤字だ」とJR各社は言いますが、以前から何度も言っているようにJRの努力不足です。

 人を呼ぶ、人を集める、人を乗せる企画を地域と一体となってやれば人は列車に乗るでしょう。
 そのことは津山の桜まつりで実証済みですし、JRも分かっているはずです。だからいつもは1両編成の列車を2両編成にして走らせたのだから。
                                  (2)に続く


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ソースネクスト