ゴーン氏の守銭奴的なやり方は断罪すべきだが
長期勾留は許されない(2)


反対の立場に立てば、もちろん拒否権が有るとはいえ、常に攻め上げられる側で、
ゴーン氏の場合矢張り組織を利用した裁かれるべき案件であることは疑いないようなので(無罪か、有罪かは別にして)、裁判を自分に有利にするためには起訴前の取り調べで検事と被告が対等の位置になることは一理ある気がします。特に異国での収監は相当なプレッシャーでしょう。
これだけ大きな規模の嫌疑の可能性の事件には(もし事実なら彼の長年にわたる業績は吹き飛ぶし、むしろ日本、日産に不利益を前提に利用しようとした悪とも映りますが)、取り調べの段階での公平性は担保しないと(いい言葉が浮かびませんが)、検察側の恣意的なシナリオになる恐れもあり、弁護士の立ち合いは一理ありそうです。
そして、検察側に適した自白、証拠を得られるまで拘留を続けるという対決構造の道筋に素人では打開できない困難さの打破に沿った意見ですね。
くどいですが、栗野さんも論点にしようとしていると思いますが、諸外国の指摘事
項、論点がどうもよくわからないのです。一般論と具体的な被疑者の係る案件(内容)とを別々に議論すべき論点と、矢張り取り調べ案件の性質にも照らし合わせて調べられる側と調べる側とのせめぎあいで。素人は悩みます。やはり、自分がその立場に置かれたら、大げさに言えば、権力と向き合いますので、守ってもらいたいですね。

(2)拘留延長について
検事が起訴シナリオに対して十分証拠を持っていれば隠滅滅を何ら恐れることはないかもしれません。ゴーン氏の長年の周辺の組織固(会社ぐるみ?)めをした状況の中では、検察の事前証拠集めにも限界が有(今回は日産が内部告発で事前に調べ検察との連携)り取り調べ状況から当然派生した話が出てきて、新たに別人(別件)を調べる必要もあるでしょう。ここ数日の新聞記事を見ても、様々なことが関連してか、離散的かもわかりませんが次々書き立てられ始め(悪く言えば芋づる的に)あまり印象は良くないです(もし本当なら)。また日産職員が多数介在している気がします(職務に忠実で、事件には関係が薄いかもしれません)。そうすると、それだけの複雑なことに対して全貌がつかめてこない以上、証拠隠滅の恐れの考はどうしてもなり立つ気がします。容疑者の人権は確かに守る必要がありますが、そのレベルの問題が国際的に日本が遅れているのかどうかもわかりません。単純に司法制度だけでも議論できなく、やはり嫌疑内容の大きさ、複雑さも絡んだ議論が必要でしょう。しばしば弁護士は、「国際基準に照らしあわせて日本は、」と言う枕詞を言いますが、ケーススタディーの中での具体的に対比した議論にしないといけない気がするのですが。


    ----------------------------------------------------
 検察は少なくとも起訴した段階で取り調べは終わっているはずです。でなければ嫌疑不十分、証拠不十分で起訴したことになり、これは権力の横暴、独裁者のやることで、法の下での平等はないことになります。
 北朝鮮、中国等の独裁国家では時の権力の思うがままに嫌疑をかけられ、長期勾留が続けられています。時折、外国人が理由もよく分からず逮捕され、納得できない罪状で裁判も開かれないまま長期勾留される例が今でもあります。
 恐ろしいことです。これらの独裁国は法治ではなく権力者による人治で、権力者に不都合ななにかを指摘した、書こうとした、写真に撮ったというだけで逮捕・投獄されます。
 こう言えば誰もがひどい国だと言い、その国、そのやり方を批判します。しかし、法治国家を装う国でも形は少し柔らかくなっているとは言え同じようなことが結構あちこち(EUでもアメリカでも)で行われているようです。

 私は今から30年程前、日中国交回復の直後に訪中(その頃は個人旅行は認められず、招待旅行と言っていい形でしたが)し、武漢で横断幕を撮影したら警官が飛んで来て逮捕されるのではないかという恐怖を感じました。警棒を激しく振り、大声で喚いている様にとても恐怖を覚えましたし、比較的最近では上海の日本大使館が中国人に襲われた1週間後ぐらいだったと思いますが、大使館前の破壊された現場写真を撮影していて警備兵に追っかけられました。
 いずれも逮捕されれば訳が分からないまま勾留され続けていたと思います。いずれにしろ異国での逮捕勾留は本国でのそれとは違った不安が重なるのは事実です。

 国の内外を問わず、長期勾留は非勾留者に多大な負担を与えます。逆の言い方をすれば、権力者はそれが目的で長期勾留に持ち込んでいるわけで、これは精神的・肉体的な虐待以外の何物でもないでしょう。少なくとも先進国と言われる国は長期勾留はやめるべきだと思います。

 15日、ゴーン氏の保釈申請が却下されましたね。恐らく裁判所の判断は全面否定しているゴーン氏に証拠隠滅の恐れありと判断したのでしょう。検察側の主張に沿っての判断で、裁判所は検察寄りということが今回も明らかになったようです。
 個人的にはゴーン氏の自分中心の守銭奴的なやり方は大嫌いだし、それは断罪すべきだと思っていますが、だからといって長期勾留が許されていいはずはありません。
    ----------------------------------------------------
                                            (3)に続く

【工事不要で届いたそばからすぐ使える!とっても便利なソフトバンクエアー!】
【高額キャッシュバック&工事不要!】+【パケット使い放題!ソフトバンクエアー】


(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点INDEXに戻る






ひかりTVショッピング