公共交通について考える〜地方を切り捨てるJR(3)
ローカル線切り捨てと豪華列車


ローカル線切り捨てと豪華列車

 腑に落ちない最大の理由は先にも述べたが、一部路線の発表だけに留まっている点だ。全路線の収支を発表せずに17路線だけの発表だと、その他の路線は黒字なのか、それとも他にも赤字路線があるのか分からない。もし後者だとすれば、なぜ17路線だけを槍玉に挙げるのか。不公平ではないか。なにかを隠しているのかと勘ぐられても仕方ない。

 2番めの理由はJR九州の「成功」を見て、各社とも豪華列車の製造・運行を行っているが、その収支も発表すべきだろう。特に知りたいのは豪華列車製造にかかった全経費とチケットの売り上げである。
 JR九州は豪華列車の予約は数年先まで埋まっていると、しきりに好調さをPRしているが実際のところ収支はどうなっているのか。
 そこに車両製造・デザインコストは含まれているのか。デザイン料は見合ったものなのか。内装材料等にはかなり高価なものが使われているだけに、収支はぜひ明らかにしてもらいものだ。



 JR九州が製造した豪華列車の内装
 畳敷きの車両もある



 原発コストの時は建設コストや使用済み燃料の最終処分費用を低く見積もっていたりしたが、それと同じような試算方法が取られていないか。
 それらのことをチェックした上で、豪華列車が収益にプラスになっているのか、いないのかを明らかにして欲しい。
 もし、豪華列車の運行が収益にプラスどころかマイナスならば即刻取り止め、その分を赤字路線の改善に回すべきだろう。



 昨今のJR各社は公共交通としての使命、役割を放棄し、自社の利益追求のみに走っているように見える。その典型が駅施設で、ローカル路線は無人化し、駅施設を地方自治体に「押し付け」る一方、京都駅や博多駅などの主要駅は再開発し賑わいの場へと変えている。
 といっても駅への囲い込みを行っただけで、再開発前には「駅周辺地域の活性化」とか「地域の回遊性を高める」などと尤もらしいことを唱え、周辺地域と再開発協議会などをつくり協議を重ねるものの、それらは官僚がよくやる「アリバイ作り」みたいなもの。いざ完成してみると、回遊性は駅施設内だけで、周辺地域へ人が流れるどころか逆に人が巨大な駅施設に吸い込まれ、周辺地区は潤うどころか逆に寂れて行っている。
 駅が巨大なブラックホールと化し、周辺地域だけではなく沿線都市からも貪欲に客を吸い込み駅施設外に出さないから博多駅や京都駅などの大都市の中心駅施設のみが賑わう1極集中が進んでいる。まさに「一将功成りて万骨枯る」だ。

 こう言えばデジャブー(既視感)を覚える人もいるだろう。そう、郊外に大型ショッピングセンターが建設され駅前をはじめてとした地元商店街が次から次に客を奪われシャッター通りと化した当時を。

 JRとは一体何者だろう。ある時は公共交通機関の顔をし、ある時は不動産屋の顔をし、またある時は商社の顔を見せる。しかも、その時々で変面ショーのように見せる顔をクルリと変える。一体どれが本当の顔なのか。

 鉄道輸送は赤字だと言いながら、その一方で「儲かりそう」と見れば何にでも手を出す。ホテルにコンビニに飲食店。果てはドラッグストアにまで手を出したが、悲しいかな、いずれも武士の商法。どれもこれもうまくいったという話は聞かないし、ホテル以外は大抵撤退している。
 大体、本業で知恵を絞らない会社が他分野に手を出してうまくいった例は少ない。
 赤字路線の廃止を言う前に、責任を取ってトップが辞任するなり給与を返上するなりをしてみたらどうだ。それもせず湯水のように金を使って豪華列車を造り運行してみたり、高給を取っていることに痛みを感じないのだろうか。
                                       (4)に続く

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