MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ

 


腱鞘炎が灸で劇的に回復した。


 博多に暑い夏がやって来た。
7月1日〜15日まで博多の街を熱気に包んだ博多祇園山笠は15日早朝の追い山でフィナーレを迎えたが、その間、水法被に締め込み姿の男達が連日1トンもある山笠(やま)を舁き、街中を走り回った。期間の長さといい、締め込み(褌)姿の男がほぼ1日中歩き、ヤマを担いで走り回る祭りは全国的に見ても珍しいだろう。
 この夏祭りに夢中になる男達を博多では「のぼせモン」と言う。私も今年は「流舁き」「追い山ならし」「集団山見せ」と、山笠の写真撮影に連日夕方から出かけたから立派な「のぼせモン」。その写真は順次ブログ「栗野的風景」にアップしているのでご覧下さい。

 さて話は変わって腱鞘炎。
私が左手小指の腱鞘炎にかなり悩まされだしたのは、もう10年以上も前になる。最初は小指が痛い程度だったが、症状はどんどん悪化し、もうこの数年、左手は人差し指以外はまっすぐ伸びなくなってしまった。
 整形外科の診断は腱鞘炎。要は使い過ぎだから使わなければ早く治る。指を外側に反らすリハビリを続けるように、とのこと。
 アドバイスはこれだけだ。整形外科というのは本当に役に立たないというか、腰痛でも整形外科で治ったことがない。それでも時々整形外科に行くのは骨に異常があるかどうかをレントゲン撮影で診てもらうためである。

 今年に入って腱鞘炎はかなり悪化し、日常生活にかなりの支障が出始めた。両手を揃えて柏手を打つこともできないし、茶碗さえうまく持てなくなった。なにより困ったのは車のハンドルを握る時で、左手は親指と人差指で挟むような握り方しかできなくなった。キーボードを打つのは非常に苦痛で、メールは手書きのハガキか封書に変えてきた。
 すると今度は右肘までが痛み出し、これはテニス肘だと診断された。結局、打鍵のしわ寄せが右肘にまで出てきたというわけだ。
 もうここまでくると、断筆やむなしと判断し、今秋頃には断筆宣言(正確に言えば断鍵宣言)をする予定にしていた。

「音声入力ソフトを使えば」。そうアドバイスしてくれた人もいた。いくつかのソフトを試してみたが、言うほど簡単ではない。声をきちんと認識させ、ある程度の文字に変換させるまでに忍耐がいる。誤変換をいちいち直していたら話そうとしていた内容を忘れてしまう。大体私の書き方は口述筆記の類に向いていない。
 次に試したのがペン書き文書をデジタル変換する装置だ。こちらの方がまだ使えそうだったので、装置一式は1〜2年前に買ったが、やはり常用するほどには至ってない。

 こうした試行錯誤を続けた果ての断筆予定である。なんといっても腱鞘炎は年季が入っている。10数年苦しんでいるのだから、もう治る可能性はない。せいぜいこれ以上傷まないようにするぐらいが関の山だろうと考えていたが、1、2週間ほど前にふと、あることを思い出した。
「アッという間に治すツボ」という本の存在である。昔、この本に書いてある方法で四十肩を治したことがあるので、もしや腱鞘炎についても書かれてないだろうかと思いだしたのだ。
 幸いなことに本棚の奥に、新書サイズのこの本がまだあった。なんといっても昭和60年刷なので、もう古本でしか入手できないようだ。

 この本で説かれている方法はツボにタバコ灸をするという方法で、「タバコ灸」とはタバコの火をツボに近づけたり離したり方法で、タバコでなくても蚊取り線香の火でもいい(蚊取り線香の方が火持ちがよいからいい)と書かれていた。要はツボを温めるための熱源に身近で、安全性の高いものを使えばいいわけで、私は「せんねん灸」という灸を使っていた。
 灸は「もぐさ」を肌に直接盛り、それに火をつけるため熱いし、灸をした後、肌にヤケド痕が残る。「せんねん灸」は灸と肌の間に隙間を作ることで灸が肌に直接触れないようにし、熱さもほとんど感じない。
 この灸を見つけてから、私はタバコや蚊取り線香ではなく「せんねん灸」をツボにしていたのだが、探すとこの「せんねん灸」も家の中から出てきた。

 というわけで、腱鞘炎のツボに「せんねん灸」をしてみたところ、本当に「アッという間に」(1回の処置で)指が伸びた。いままで神社で柏手を打ったり、拍手ができなかったのが、両手を合わせることができるようになったのだから、まさに奇跡。
 とはいえ完全に治ったわけではない。60-70%の回復だが、車のハンドルも普通に持てるようになった。
 恐らくこのままキーボードから離れればほぼ100%回復するに違いないが、とりあえず今秋の断筆宣言はしなくて済みそうだ。
 もし読者の中で腱鞘炎に悩んでいる方がいれば、ツボに「せんねん灸」を試して見ることをお勧めする。
 上記の本があればいいのだが、すでに絶版になっているみたいだ。ただ「せんねん灸」の中にツボの図解が載っていると思うので、それを参考にしてもらいたいが、私が灸をした場所は、「軽く握りこぶしを作り、そのまま親指を立てると、手の甲側の付け根に深いくぼみができる」。ここが一つのツボだ。その他にもいくつかのツボがあるが、とりあえず、そこに「せんねん灸」をしたところ劇的に回復した。いまテニス肘の方もこの方法を試しているところだ。



(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点INDEXに戻る










MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ