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目標管理制度がうまく機能しない理由
HTP研究所レポートより〜


 暑いですね。
暑い福岡を逃げ出して(というのは冗談ですが)岡山県北にいます。
7月10日が母の誕生日なので9日に帰省しました。
 中国自動車道はガラガラ。途中のSAは閑古鳥が鳴いており、販売員は手持ち無沙汰で困っている様子でした。
山口県某SAのレストランは1時過ぎということもありましたが店内の客は私一人。
レストラン内のインテリアやテーブル等の配置を話し合っている風でしたから、またまた「お節介な性格」が首をもたげ、「近辺の観光案内パンフを置くとか、もう少し工夫したらどうか」と口出し。
 店内には秋吉台の大きな写真が壁一面に張ってありましたが、「これもやっと3日前に張ったんです」とのこと。
1000円高速廃止で客足が激減し、慌てて見直しをしたのだろうが、言ってみれば遅すぎる。それでも、しないよりはした方がまだましですが。

 さて、母の誕生日祝いにバースデーケーキを買って、ローソクでも立てて驚かせてやろうと思ったのですが、バースデーケーキは売っているところがなく、やむなくショートケーキで代用。
起床と同時に「誕生日おめでとう」と声をかけ、ケーキを出すと、これが思いの外喜ばれ、こちらの方がビックリしました。
 母89歳。来年は卒(卆)寿。「もう卒寿で卒業しとけ」と冗談を言い合いながら、老々介護の厳しい現実を噛みしめています。

 さて、今号は前号でお知らせしたように、リエゾン九州の会員でHTP研究所・伊藤克彦所長が隔月で配信している「HTP研究所レポートvol39」の中から「目標管理制度がうまく機能しない理由」をお届けします。

        <目標管理制度がうまく機能しない理由>

現在、大企業を中心にかなりの企業で目標管理制度が導入されている。
これは1990年代に入って成果主義が急速に浸透してきたことと関係が深い。

しかし、目標管理制度の効果については、導入された企業で大きな差があることが指摘され続けている。

このような差はどこから生まれるのであろうか?
その原因の1つとして、「実施形態の違い」がある。

担当者本人が「目標を設定し、自己管理によって目標達成に努力し、定期的に進捗度や活動の方向性について上司からフィードバックを受け、きちんとした評価を伴う」というのが理想である。

が、目標が上からノルマとして押し付けられ、途中経過の情報提供や上司との面談の場ももてないようなケースだと成果は期待できない。

また「トップマネジメントの関り方についての影響」も指摘されている。

経営トップが目標管理に大きな関与をしている企業とそうでない企業とでは、生産性上昇率に大きな差が生まれていることを指摘する論文もある。

ある研究では、トップの関与度によって生産性上昇率に9倍もの差が生まれたことが報告されている。

さらに、目標管理を実践する担当者本人の個人属性も効果に大きな差を生むことが報告されている。

特に関連性が示唆されているのは「達成欲求の高さと内部統制」である。

つまり、達成欲求の高い人の集団では、目標を積極的に受容し、高い業績を上げることが予想されるというのである。

また、物事の成否の原因を自分自身に帰する傾向が強い内部統制型の性格の人は、原因を外部に求める人に比べて高い目標を掲げ、成果をあげるとされている。

また「社員の自信や有能性の高さ」も影響するとされている。

つまり、自信が有り、有能な社員が多い企業では、高い目標が努力に結びつくが、そうでない場合は、高い目標がやる気をそぐということである。

又、管理者の知的水準が高くない場合は、上司が目標の優先順位を明確に提示する方が目標管理に好意的になるとされている。

このように、自社にはどのような社員が多いのかを十分考慮して、目標を設定しないと悪影響を与えることになりかねないのである。

最近の研究では、社員の知的能力があまり高くない場合は、目標管理制度の導入は慎重にした方がいいという結果も出ている。


               ■ 発 行:株式会社HPT研究所
                 東京都中央区日本橋浜町2-33-5 マリオン浜町ビル6階


 参考になりましたか。
目標設定とノルマは紙一重みたいなところ、どちら側から見るかによって言葉が違ってくる、ようなところがありますが、数字の根拠を示して話し合うなど上司と部下が共通認識を持つことが大事ではないでしょうか。
 景気が悪くなって部下との飲みニケーションも減ったということも一部には言われています。
 さすがに最近は飲んで騒いでという飲み方はないでしょうが、時には部下と酒を飲み交わし、じっくり話を聞いてやることも必要でしょうし、自己啓発や経営、営業関連の書物を読ませることも必要ではないでしょうか。
 営業は個人属性ではなく科学だということも覚えていてください。
その詳しい内容についてはまたいつか・・・。



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