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高校野球全国大会は夏から秋へ変更すべきだ


栗野的視点(No.803)                   2023年8月6日
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高校野球全国大会は夏から秋へ変更すべきだ
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 年々暑くなる夏の気温。かつては30℃を超えると暑いと言っていたが、今では35℃を超えても驚かなくなったのが怖い。それでもさすがに体温超えの37℃以上は異常過ぎる。生命を失う危険を伴う「殺人的猛暑」と言える。
 特に日本の夏は湿度が高い高温多湿。こんな時に日中、屋外で運動するなんてのは論外で、即刻「ヤメロ」と言うはず。

 実際、今夏7月28日、山形県米沢市で痛ましい事故が起きた。午前中に部活動の練習を1時間早めた10時前に終了し、自転車で帰宅途中の10時30分頃、熱中症で国道脇の歩道で倒れ、発見されたのが11時5分頃。緊急搬送されたが当日午後9時49分に女子中学生が亡くなった。

 午前中の部活動でさえこれだ。ましてや炎天下の日中に野球をするなど論外だと思うが、夏の甲子園大会を主催する高野連と朝日新聞社は球児は暑さに耐える超人とでも考えているのか、この事実を前にしても何ら動こうとしない。

 全国高校野球大会は春と夏あるのはご存知の通りで、春は毎日新聞社が、夏は朝日新聞社が主催である。
 なぜ大会が春と夏なのか。このことに多くの国民は疑問を感じないのだろうか。普通に考えれば春と秋だ。にもかかわらず半年後の秋ではなく、少し早めて夏にしたのはなぜか。

 この問題に関しては過去にも「栗野的視点」で書いたことがあるが、高野連と朝日新聞社の思惑が強く働いている。
 ともに名目は応援者数である。夏休み期間中の方が甲子園に球児の関係者を含め応援者が来やすいだろうという。もちろん、そんなキレイ事ばかりで決まったわけではなく、カネの問題である。
 それでもまだ昔は今ほど気温は高くなかったし、他に娯楽も少なく、NHKの年末歌番組同様、多くの人がTVにかじり付き応援した一種の「国民的行事」感があり、新聞社のビジネスに対し異を唱える声はなかった。

 だが時代は変わり、今は「地球沸騰化の時代」だ。暑いのは日本だけでなくこの星そのものが燃えている。

 先頃、石川県の馳知事が石川県の地方大会決勝戦の開始時間に対して「この暑い中、午後0時半開始はおかしい」と疑問を呈したが、地方大会だけの問題ではなく、甲子園での全国大会の開催時期にまで踏み込むべきだ。

 問題は球児だけでなく応援団も同等か、それ以上に負担を強いられる。吹奏楽部員などよく熱中症で倒れないものだと心配するが、そういうことに高野連と朝日新聞社は思い至らないようだ。
 自分たちの利益より高校生の身体を心配するべきだ。秋ではなく、どうしても夏にこだわりたいなら開催地を北海道に移せばいい。実際、北海道側からはそういう提案が出ている。

 熱中症による死者が出てからでは遅い。高野連と朝日新聞社、特に朝日新聞社の責任は重いと考えるが朝日はどう感じ、どうしようとしているのか。


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