過去の経験から学ばない日本の被災者救援(1)
1週間以内に現地入り救援


栗野的視点(No.817)                   2024年1月20日
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過去の経験から学ばない日本の被災者救援
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 石川県能登半島地震から2週間以上が過ぎた−−。死者数は関連死を含めると236人(1月15日現在)を数えているが、今後さらに増えることも予想される。一刻も早く救助の手が届くことが望まれるが、遅々として進んでいないのが現状のようだ。

1週間以内に現地入り救援

 災害が起きる度に顕著になることがある。1つは助け合い行為で、もう1つは災害に乗じて発生する犯罪行為だ。
 後者は2011年の東日本大震災以降顕著になった。今回の能登半島地震でも地震発生直後から被災地域に出入りする不審者やブルーシートを高額な料金で売りつける詐欺まがい商法をする業者(?)の件も報告されているが、表面化しているのは氷山の一角に過ぎないだろう。
 避難所でも金品を盗まれるとあっては避難所への避難もためらわれ自宅近くで車中泊している人も結構いるとか。

 もし私が被災者になった時はどうするだろうと考えてみた。やはり車中泊を選びそうだ。寝るのはどこでもすぐ眠られるが、避難所での集団生活は数日なら我慢できるが1週間以上続くと耐えられそうにない。それならいっそ車中泊をした方が気が楽だし、地域の見守りもできるかもしれないと思ってしまう。
 誰も好き好んで車中泊などしたくはないだろうが、似たような考え方の人も多いのではないだろうか。

 震災直後に被災者は何を必要としているだろうか。衣服も必要だろうし、季節や被災状況によって必要なものは異なるが、個人的な経験から言えばやはり人手とトイレではないかと思う。
 もちろん電気、ガス、水道といったライフラインの復旧は急がなければならない。だが、それがすぐ望めない場合、欲しいのは人手、災害ボランティアの支援ではないだろうか。特に高齢者世帯は人の手を借りなければ何もできない。そういう時、災害ボランティアが来て手助けしてくれるのはとても助かる。それもできるだけ早く。やはり1週間以内に来て欲しいと望むだろう。

 ライフラインが止まれば情報も止まり、自分達が置かれている状況や地域外の状況がまったく分からない。状況が分からなければ人は不安になる。救助の手が来るのか来ないのかも分からなければ絶望的な気持ちになる。
 そうした状況を解消するためにもいち早く情報を伝えることが必要になる。

 TVが地震情報を特集報道したのは地震直後の元旦のみで、2日からは通常のニュース番組で報じる程度に縮小し、後は正月特番のお笑い番組では、それを目にした被災地の人や被災地に関係した人は怒るだろう。俺たちは見捨てられた、と。
 そういう絶望的な気持ちに陥らせないためにもいち早く情報を伝え、救援の手を差し伸べることが必要だ。
                                      (2)に続く
#能登半島地震救援


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