Google

 


「メードインジャパンの復権はあるか」に寄せられた読者のコメント


 今回は読者から寄せられたコメントを3つ紹介します。
最初はよくコメントをお寄せ頂く、(財)新機能素子研究開発協会の清水肇様、ついで第一施設工業(株)社長の篠原統様、そしてユウシステム(株)会長の入江英也様(年齢は30代)。

 ところで私は今週末まで岡山県にいます。
この1週間、仕事の合間を縫って山口、広島、岡山、鳥取県を移動し、紅葉の写真を撮っています。
ブログ「栗野的風景」 にアップしていますので、仕事に疲れた時はご覧ください。
少しはホッとできるのでないでしょうか。

 12月2日は岡山市で「激変するマーケットへの対応とパワーアップする産学連携」と
題して講演します。


      ◆       ◆

 私は以前書きましたが、「技術で勝ってビジネスで負ける」という意見に結果論には賛成してるのですが、打開策で壁に当たってます。

結構大先生が
「日本は摺り合わせ技術で長けて、物作りに自信を持て」という言い方と、「すりあわせ」という言葉を広めたことを思い出します。自動車、精密機械、金型などを頂点とするモノ作りは確かにその視点が大切です。部品が集まればものが出来ることはありません。

しかし、エレクトロンクスを基盤とするデジタル製品(アナログのオーディオなどはやはり特異なモノ)はインターフェースが有れば、如何様にでも出来る話が広まってます。
パソコンは最早組み立て産業です。液晶テレビも、パネル、電源、情報処理装置の固まりです。中国のスーパーコンはCPUはアメリカ製です。勿論、アルゴリズムやソフトの力があります。

あれだけ技術開発で世界をリードした太陽電池も、パネルそのものは多少発電効率の差はあるものの、どこで作っても大体同じレベルです。売るだけなら、日本はもう頂点を転げ落ち始めてます

自動車も、HEVはさすがにすりあわせの重点が大きいですが、EVに成ればそうは行きません。恐らく、ハイエンドと、ロウエンドのEVとして2局化するでしょう。
利幅はハイエンドの方が大きいですが、売り上げは、定価と市場の積ですから。エンジン抜きの車を買ってEVの心臓を入れる企業も沢山で始めてます(ビッグ3に対してEVと作るいわゆる町工場的なスモールハンドレッドと言う言葉が出てるのをご存じでしょ)。

私も評論家になってるわけでなく、エネルギーの問題で、社会インフラの付加価値を考えて色々物作りにどう勝てるか、勉強してます。

PS
最近本田がフィットという車でガソリン車とHEVを出しました。勿論、HEVの燃費がガソリン車を上回りますが、その燃費の差が車価格の差をどの様に取り戻すか定量的に考えると、必ずしも手放しでは喜べません。車の寿命を全うする頃にようやくバランスします。

また、マツダのガソリン車の燃費向上の努力には目を見張るものがあります(アイドリングストップという極めて単純な発想ですが)。HEVに迫るものが有ります。

燃費の付加価値、環境への貢献をどの様に付加価値を持たせるか、等々。

もの作りの付加価値をどの様に評価するか。「技術ー価格ービジネス」の間をつなぐ評価軸(付加価値と呼んでます)が要りますね。

-----------------------------------
(財)新機能素子研究開発協会
企画室長

産業技術総合研究所 招聘研究員
先進パワーエレクトロニクス研究センター(ADPERC)

清水 肇
-----------------------------------

      ◆       ◆

ご無沙汰しております。。
第一施設の篠原です。

全く同感です。
世界が見えない中小企業が多く、また世界から日本を見ることが少ない企業が多いということです。
民主党には期待をしましたが、梯子をはずされた今、企業が自力で開発なり、販売なりをしない限り凋落していくのは時間の問題です。
海外の若者と、日本の若者との違いも大きく差が出始めました。
生活についての危機感が薄くなったのでしょう。
戻れば教育にまで戻らなければこの国の将来は無いようです。


      ◆       ◆

ユウシステムチャイナ 入江@上海です。お世話になります。
いつもメルマガ楽しくかつ興味深く読ませて頂いてます。

私も栗野様、篠原様のお考えに同感です。

上海で見かける携帯はサムソンやら台湾企業系などが多いです。
こちらの携帯売り場を見ると何百という機種がずらりとならんでいます。
もちろん、日本のメーカーもありますが、種類が少なく価格も高いです。

電化製品もしかり。
上海のマンションの電化製品は、ハイアールかサムソンだらけですが、故障もなく、快適に動いています。
最近売り場を見ると、「ECO」という文字が商品に沢山ついてきています。

価格は、日本製の1/2、2/3ぐらいです。

取り留めのないメールになりましたが、感想まで。
-------------------------------------------------------
■上海游信息系統有限公司 (ユウシステム チャイナ / Yousystem China)
上海市長寧区金钟路658弄東華大学国家科学技術園2号楼A座301
入江 英也(Hideya Irie)


(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点INDEXに戻る