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「SMAP」解散騒動から学ぶもの(1)


 「SMAP」の解散報道には正直驚いた。個人的には芸能人やタレントが独立しようが辞めようが関心ないが、驚いたのは「大ニュース」扱いになったことに、である。
 一番の驚きはNHKが午後7時のニュース番組で取り上げたことだ。そんなに「大事件」なのかとビックリしていると、某大臣や某首相までコメントしていたからさらに驚いた。
 まあ某大臣の方は「○○オタク」と言われている人だから、「キャンディ-ズの解散」と比較して語ろうと、それほど驚きはしないが、それでも大臣や首相、さらにはNHKがニュース番組で取り上げなければならないほどの「大事件」とは思わない私の感覚の方がズレているのだろうか。

 それはともかく今回の「騒動」、見方を変えれば随分学ぶべき点があるように思う。以下、それらをキャプション的に列挙してみよう。

1.ワンマン経営企業(に限ることではないが)の後継者争い
2.権力を絶対手放さない創業者
3.実力ある部下が独立を画策する時
4.派閥争いを煽る人間はどこにもいる
5.裏切り者、内通者は必ずいる

 スポーツ紙、週刊誌等が様々な情報を載せているが、実際の所はよく分からない。ただ、ここでは事実関係を明らかにすることが目的ではないので、内容は「SMAP」の独立問題とは直接関係ないことをまずお断りしておきたい。
 その上で次のように置き換えていくと、他の企業でも十分起こり得る騒動だということが納得できる。

異見、諫言を許さない

 まず、どのような組織であれ組織である以上、派閥、グループは存在する。派閥とグループの違いは構成員間の結び付きが強いかどうかだが、ワンマン経営者は派閥(グループ)の存在を認めたがらない。
 自分の号令一つで全員が同じ方向に動くと信じている(信じたい)ことと、自分以外の人間、つまり派閥やグループのリーダーは自分を脅かす存在になるかもしれないと考えているからである。
 言い換えれば常に猜疑心に苛まれているわけで、それ故に事ある毎に部下の忠誠心を試さなければいられない。少しでも自分への忠誠心が見られなかったり、そのような噂を耳にすれば、どこぞの国のように即刻銃殺、あるいは「労働改造」という名の強制労働か長期拘束による精神破綻に追い込む。
 さすがに一般社会でそこまでする組織はないが、ワンマンに共通しているのは組織内に異見を認めないことだ。
 こう言えば、「そんなことはない、私は社内外を問わず他人の意見はよく聞く」と反論されそうだが、外部の人間の意見を聴く人は多い。しかし、内部、要は部下だが、彼らの意見を聴く人はいない。聞くのは枝葉の部分。諫言でもしようものなら途端に窓際、関連会社へ左遷される。
 少しでも自分の方針と違う動きをしたり、盾突く人間に対しては徹底的に排除にかかる。これがワンマンの特性である。

 今回の「SMAP」独立騒動はこれらが絵に描いたように実行された。まさに事実は小説より奇なりで、事の発端はジャニーズ事務所の実力者、M副社長の猜疑心のようだ。その辺りのことに関しては「週刊文春」(2015年1月22日)のインタビュー記事が詳しいが、M副社長が「派閥」という言葉に過剰とも思える反応を示していることがよく分かる。
 インタビューで、社内に派閥は存在しない。もし存在しているなら自分の責任だ、派閥を作った人間は辞めさせる、とまで言っている。そしてインタビューしているその場に、片方の派閥リーダーと「文春」から指摘されたIマネージャーを呼び付けて叱責しているのだから、まるでどこぞの国で起こっているのと同じ光景を読者は見たに違いない。


                                               (2)に続く

ソースネクストラングリッチ 動画ドリル プレミアム


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