コストパフォーマンス抜群のセキュリティソフトは(1)
〜デバイスが異なる端末で使える


 常に事故は初歩的なミスで起きる、とはよく言われる。言い換えれば、慣れこそ要注意。慣れが最も恐ろしい、ということだ。
 誰しも新人の頃は基本を忠実に守るし、機械にしても使い始めの頃は一つひとつを慎重に操作していく。それが慣れてくるに従い、基本が疎かになり、確認漏れが出てくる。それで何事も起きなければ、今度は基本を疎かにした「新しい常識」が作られ、それに従うことになる。大事故や不正はこうして起きる。

セキュリティソフトを入れない理由は

 インターネット上でも同じことが起きる。インターネットを始めた頃はセキュリティソフトもきちんと入れていたはずだし、最近はパソコン(PC)を買えばセキュリティソフトの体験版が入っていることも多い。大抵は1カ月無料体験版だが、なかには1年間無料版がインスツールされていることもある。
 問題は無料使用期間が切れた後だ。有料版に更新していればいいが、期限切れのまま、無防備な状態で使っていたりしないだろうか。

 少し前まで、まだスマートフォン(スマホ)などのモバイル端末が普及する前までは、家に1台インターネット接続機器があるかどうかだった。それがいまや1人1台、どうかすれば1人複数台の時代である。
 PCにタブレット、スマホの3台を持っていれば、セキュリティソフトをそれらすべての端末機器に入れていなければならない。しかし、PCとスマホには入れているけど、タブレットは入れていない。あるいはPCには入れているけど、スマホと、そう頻繁に接続しないタブレットには入れていないということがないだろうか。

 所有しているすべての端末にセキュリティソフトを入れない理由は何だろうか。
1.面倒臭い。
2.更新切れに気付かずそのまま使っていた。
3.常時ネット接続しているわけではないから。
4.怪しげなサイトには接続しないから。
5.時たましか使わないから
6.金がもったいないから。

 1の「面倒臭い」を除けば2〜5までは出費負担に対するほとんど言い訳みたいなもので、結局、最大の理由は出費負担ではないか。
 例えば、たまにしか使わないPCと常時使っているPCでは、どちらの方がウィルスに感染するリスクが高いかといえば、むしろ時々使うPCの方だろう。
 なぜか。常時使っているPCはOSその他のソフトが常にアップデートされ、最新のものになっているが、たまにしか使わないPCのOSやソフトは古いままのことが多く、古いOSやソフトの方がウィルスに感染しやすい。そのため1回の接続で感染したということはままある。
 毎日乗っている車と月に1−2度しか乗らないホリデーカーを比べてみよう。後者は大事に車庫に入れているし、滅多に乗らないから部品は新品同様。故障なんてありえないと思っていたが、久し振りにエンジンをかけて出かけたら、途中で調子がおかしくなったということはよくある話。部品はむしろ使わない方が劣化する。常時運転していればオイルがエンジン内の部品の隅々まで回り、部品を保護する役割も果たしているのだ。
 PCもこれと同じ。たまにしか使わないから安全というのは間違い。逆に感染リスクは高まる。
                                               (2)に続く

 


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