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真夏の夜の悪夢(2)
〜花火大会がもたらすもの


花火大会がもたらすもの

 夏の夜の風物詩といえば花火、とばかりに今夏は各地で花火を打ち上げている。そして見物客が殺到し様々な問題が起きている。
 美作市作東地区では今年3,000発の花火が打ち上げられた。臨時駐車場を近くの市役所支所等がある公園に設け、そこからシャトルバスで花火見物客を送迎する程の人出で、こんな過疎高齢化が進んでいる地方の田舎町のどこにこれ程の人がいるのかと驚くほどの人数で賑わった。しかも同市では市内3か所の地域で日にちをずらし花火大会を開催している。
 コロナ禍で3年間祭りを自粛し4年振りの花火大会だからと、主催者側も各地で打ち上げ数を増やし規模を拡大。するとコロナ禍の鬱憤を晴らすように見物客が押しかける。
 その結果、後に残ったのは大量のゴミと見物客のマナーの悪さ。これは夏に限ったことではなく冬でも同じ現象が起きている。冬の夜を彩るイルミネーションの数は年々増え、押しかける見物客のマナーの悪さに悩まされている地域がある。
 花火も有料観覧席を設けたり、来年からは縮小すべきという議論が出ている地域もあるという。

 それとは別のことも頭を過る。経費の問題だ。すべてを地域の寄付金で賄っているのかといえば、そんなことはないだろう。となると税金がどの程度かは不明だが投入されていることになる。果たしてそのことに思い至っているのかどうか。
「ああ、きれいだね」で済ましていいのだろうか。

 とにかく日本人は立ち止まることをしない。花火に限らず一度開始するとどんどん規模を拡大していく。大きい、多いことはいいことだ、とばかりに拡大まっしぐら。

 バブル期の現象によく似ている。突き進んで崖から落ちるまで止まらない。ドドドーンと打ち上げ、バーと大輪の花が咲いたかと思うと、サーと消える。
 真夏の夜の花で、そこに経済を視る目、環境を考える思考もない。
                         (3)に続く


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