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真夏の夜の悪夢(3)
〜メガソーラー基地が温暖化を促進


メガソーラー基地が温暖化を促進

 環境といえば思い浮かぶのが太陽光発電だが、今、地方は大中小のソーラーパネルだらけである。岡山県奈義町などはメガソーラー基地に加え、町のあちこちにソーラーパネルが設置されている。それらの大半は田んぼや畑の上。農地が売却されたのか休耕田の利用なのかは不明だが、とにかくちょっとした空き地、工場跡地があれば、そこにソーラーパネルが設置されている。

 美作市にも西日本最大規模のメガソーラー基地が設置されているし、ゴルフブームが去った後のゴルフ場の多くはメガソーラー基地に変わっている。
 岡山県下で見ればさらに増える。赤磐市にも巨大なメガソーラー基地が出現しているし、牛窓市も沿岸沿いを黒々とした物体が覆っている。
 さらに九州・阿蘇の国定公園そばにも巨大なメガソーラー基地があり、阿蘇の草原景色を一変させている。その内、列島は黒い塊のようになるのではないか。

 「太陽光発電は国策だから」。ソーラー基地建設に疑問を呈した私に某地方議員はそう言い放った。そう、太陽光発電は火力発電に代わるクリーンエネルギーとして期待され、国も建設を後押ししている「国策」だ。
 しかし、本当にクリーンエネルギーか。いや、クリーンには違いないがCO2の削減をし、地球温暖化防止に貢献しているのか。

 メガソーラー基地建設には当初から原発と同じ構図を感じていた。原発の時に唱えられたのも「クリーン」と「低コスト」だ。しかし、そこには廃炉コストは当然のように加えられていなかった。

 太陽光発電も同じだ。本当にCO2を排出しないクリーンエネルギーなのか。そこには以下の点が除外されている。
1.ソーラーパネル製造時のCO2排出とコスト
2.ソーラーパネルのメンテナンスコスト
3.約20年後、パネルの寿命が来た時の廃棄処分コスト

 つまりクリーンエネルギーというのはあくまで稼働中のことであり、トータルで考えた時に本当にクリーンと言えるのかどうか。特に現在、ソーラーパネルはほぼ中国製という状態を考えれば製造時のCO2排出量は決して少ないとは言えないだろう。

 またソーラーは屋外設置であるため常に風雨に曝されるためパネル表面に汚れがたまるから定期的なメンテナンスが必要になる。汚れを放置したままでは電力量が落ち、電力量が当初計画を下回ることになる。計画通りの電力が得られなければメンテナンスコストを削減する。そうすればさらに電力量が下がるという負のスパイララルに陥る。最悪、事業から撤退ということも起こるうるだろうが、後に残るのは兵どもが夢の跡とならなければいいが。

 そう懸念するのは参入企業の大半が環境問題ではなく算術に占められているからだ。自己消費ではなく売電をベースにしたビジネスは利益が薄くなれば、そのビジネスそのものが成り立たなくなるから撤退するのは火を見るより明らかだろう。
 もう一つの懸念はメガソーラー運営企業の怪しさ(?)。多くの場合、運営企業は名ばかりの小さな企業を設立し、そこが名義上の企業になっていたり、上海電力などの中国企業が行っていたりする。ゴルフ場の時と同じ構図をここでも目にすることになる。

 最後に最も大きな懸念は現在、各地で目にしているメガソーラーは地球温暖化防止に貢献しているのかどうか。もっとはっきり言えば、温暖化防止どころか温暖化を促進する、しているのではないか。
 工場の屋根や工場跡地などのソーラーパネルは別にして、阿蘇の大自然や地方に建設されているメガソーラーは樹木を伐採し、緑地を削り、そこにパネルを敷き詰めている。ということはそこで吸収されていたCO2は吸収されなくなるわけだし、緑地があることにより地表の温度上昇を防いでいたのが、逆にその地域の温度上昇を招くことになる。
 また湖沼にソーラーパネルを敷き詰めている所もあるが水面をパネルで覆うことで湖沼周辺の温度上昇を招く。少なくとも温度低下を妨げる。川や湖沼などの水面や緑地帯は周辺より温度が低く、その上が風の通り道になる。
 風が通ればその周辺気温は下がるが、川が暗渠にされたり湖沼の上にパネルが敷かれれば気温は低下するどころか逆に上昇する。結果、地球の温度は上昇することになる。

 環境にやさしいと思っていた太陽光発電が実は地球温化を促進しているのではシャレにもならない。まさに夏の夜の悪夢だ。
                           (4)に続く




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