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ハローデイ、ボンラパスを福岡市花畑に出店

 イオンがダイエーと資本業務提携し、我が国では初の6兆円小売り連合が誕生し、小売業ではイオンが独り勝ちの様相を呈す一方で、大丸と松坂屋が経営統合するなど百貨店業界でもイオンの動きに触発された再編成が始まっている。
 さらにエディオンとビックカメラは経営統合を発表したが、直後に取り消すなど家電量販店も対ヤマダ電機を軸に大きく地殻変動を起こしそうな気配だ。
 こうした動きは「大が小を呑む」「中央企業が地方企業を駆逐する」構図ともいえるが、どっこい頑張っている地方企業もある。

 食品スーパーでは北九州に本社を置くハローデイの奮闘が目に付く。
特にこの数年、同社の積極的な出店攻勢とM&Aによる事業拡大が目立つ。
05年11月、生鮮品宅配業のオレンジライフと資本・業務提携、06年7月には食品スーパーのボンラパスの全株式を取得と積極的にM&Aを行っている。

 ボンラパスは福岡市内にボンラパス高宮、薬院、百道、西新店の4店を展開。
当初からこだわりを持った品揃えやオシャレな店内がアッパー層を中心に人気を得ていたが、その後景気の低迷にコンセプトの揺れなども影響し伸び悩んでいた、というか当初から明確な企業コンセプトがなかったといえるかもしれない。
 というのは設立母体が福岡地所であり、明確な企業コンセプトの元に店舗展開をしたというより、マンション住民へのサービスとして店舗を作っていったという側面が濃厚だからだ。

 それはさておき、今回、ハローデイの傘下に入ったことで、ボンラパスは再度、品質重視のアッパー顧客層をターゲットにした店作りに転換したようだ。
ハローデイ店舗の顧客層と重複しないためにもそれは必要と思われるが、同社はこの7月25日に花畑店をオープンする予定である。
 ボンラパスが最後に出店したのが01年4月の西新店だから、実に6年ぶりの出店になる。

 場所は福岡市南区花畑の福岡自動車試験場横。売り場面積は約420坪。
ドラッグストアのマツモトキヨシも同ショッピングセンターに出店。
関係者の話を総合すると、店内でいろいろな料理が食べられるビュッフェスタイルのレストランも設置されるらしい。
「ピアノの自動演奏もある」というから、近辺にはないオシャレなスーパーが出現することになる。

 ボンラパスにとっては5店目の出店かと思いきや、従来店舗の西新店はハローデイ西新店に転換するから、ボンラパスの店舗は従来通り4店舗。
ボンラパスの売上高は現在56億7000万円(06年)だが、今後は積極的に出店もし、将来200億円を目指す予定。

 一方、ハローデイの方は今後毎年2、3店舗のペースで出店する予定だが、出店地域は従来同社の店舗がなかった福岡県筑後地方、熊本県のウェイトが高まりそうだ。
 今夏には久留米市内に売り場面積約300坪強の単独店舗を出店予定。
同じく今夏、熊本市のショッピングセンター内に出店する予定だが、同県内の店舗は新たに設立する別会社、熊本ハローデイの運営になる予定。
しばらくハローデイグループの動きから目が離せないだろう。


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