HP Directplus -HP公式オンラインストア-

 


地方を旅する面白さ
〜湯郷温泉の民宿と新見・まんさく園 (1)


栗野的視点(No.854)                   2025年3月31日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
地方を旅する面白さ〜湯郷温泉の民宿と新見・まんさく園
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
湯郷温泉の石段ひな飾り

 ここ1週間程の間、岡山県北をあちこち動き回っている。
先週(3/23)は湯郷(ゆのごう)温泉のひな祭りを見に行った。同じ美作市内だがいままで湯郷温泉でひな祭りが開催されていることを知らなかったこともあるが、3月15日〜4月3日までの毎週末に湯神社参道の石段を利用してひな飾りを行っていると知り、早速足を運んだ。といっても家から15分余りで行ける場所だが。

 石段ひな飾りと言えば岡山県下では備前市片上のひな飾りが有名で、3年前に見に行ったことがある。
 それに比べれば湯郷温泉の石段ひな飾りや町中のひな飾りは規模は小さいものの、県北東部では頑張っている。昨年は津山市のひな祭りも見に行ったが、感動という部分では湯郷温泉の方だった。

栗野的風景に乗せた写真
 湯郷温泉ひな祭り
  http://blog.livedoor.jp/kurino30/archives/52925088.html
 備前市片上のひな祭り
  http://blog.livedoor.jp/kurino30/archives/52873291.html

 湯神社の石段を利用したひな飾りを見た後、メイン通り(?)から少し外れた通りの方に足を向けた。目的があったわけではない。
 強いて言えば古い町並みを見て廻るのが好きなのと、観光地慣れした箇所ではない場所を見て、自分なりの発見をしたいというへそ曲がりな性格からである。
 花に例えれば園芸種のきれいな花よりは山野草や野に咲く小さな花を撮ることに喜びを見出す性格も相まり、どこへでも顔を出し、興味を持ち、ついつい話し込んでしまう。

湯郷温泉で民宿を営む青年

 この時もそうだった。まず入ったのが焼き物の店。陶芸体験ができるようだったが店内には誰もいなかったので、そこを出て道路向かいの建物を覗き込んだ。
 興味を持ったのは表に「民宿」と表示されていたからだ。えっ、湯郷温泉に民宿があるのか、と少々驚いた。
 湯治場ならいざ知らず、湯郷温泉は観光温泉地であり、近年は廃業施設が増えているとはいえ、宿泊施設は結構あるし、近年、宿泊料が上がってきたとはいえ温泉地としてはまだリーズナブルな方だ。
 そんな所で民宿?というのが正直な感想で、そこに興味を持ったのだった。

「どうぞ、お入りください」
 誰もいないように見えたが、入り口から覗くと中に若者が一人いて声を掛けられた。
「ここ、民宿と書かれているけど?」
「はい、民宿です」
「湯郷に民宿があったんだ」
「今はうちだけになりましたが、コロナ禍の前までは数軒あったんですけど、コロナで皆廃業され、残っているのはうちだけになりました」

 へえー、そうなんだ、と感心しながら玄関前で立ち話を15分余りしていただろうか、20代半ばと思しき若者は「大阪から移住してきたんです」と言う。近年、都会から地方へ移住する若者が増えているというが、移住先になぜ美作を、とさらに興味が湧いてきた。
 分かったのは彼女が美作出身で結婚して湯郷に移住(?)して来たということで、民宿は彼女の実家の家業で、手伝っていたが、子供が生まれたので今年から本格的に運営を任されることになったらしいが、温泉街から通り1本外れた奥通りのため宿泊予約客が宿の前で民宿の場所を尋ねるなど認知度が低いのが悩みのようだ。

 宿泊料金は1泊2食付きで8,800円と安いため合宿などでの利用があるからなんとかやれているが、「このところの物価上昇で赤字スレスレなので、値上げをしたい」のが本音とのこと。
 周辺の宿泊施設では休・祝前日は4,000円高の料金設定にしているところも多い中、なんとか1,000円高料金で凌いでいるというから良心的。なんとか頑張って欲しいものだ。
                             (2)に続く
 


(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点24 INDEXに戻る

Dynabook Direct

マカフィー・ストア